3月7日と11日に孵化したパラオオウムガイB13とB14が、孵化から2ヶ月経過しました(個体識別番号の「B」は、パラオオウムガイの学名 Nautilus belauensis に由来しています)。
↑B13 ↓B14
どちらも順調に成長しているようです。
殻の成長の様子がわかりやすいように、孵化直後の写真と現在の姿を並べてみました。殻口に新たな殻が形成され、自分の殻を巻き込むように成長していく様子がよくわかります。2ヶ月で殻が約1/4回転したことになります。
B13
B14
なお、孵化後に形成された殻に黒いスジが見られますが、これは飼育環境下ではほぼ必ずできるもので、世界中のどの水族館でも同様の傾向があります(それでも鳥羽の個体は比較的少なめ)。
原因ははっきりしていませんが、研究者の間では「野生の個体に比べて成長が早いためではないか」と推測されています。
実は、パラオオウムガイを含めた全てのオウムガイ類で、産卵場所は未だ明らかになっていません。さらに、孵化後、子どもがどのような環境で成長するのかもほどんど明らかになっていません。そのため、各国の飼育スタッフと情報共有しつつ飼育方法を試行錯誤しています。
鳥羽では、子どもの飼育水温を孵化から2ヶ月を目安に、成体と同じ15〜17℃くらいまで下げて飼育しています(孵化時は約23℃で管理)
【飼育研究部 森滝丈也】