最近の私の胸を焦がすマイナー生物のひとつがシダムシ。
シダムシはヒトデの体腔内に寄生する甲殻類で、身近な生物だと、フジツボの仲間に比較的近縁です。
今回、研究者との連携で、東シナ海の1種と熊野灘で採集した2種のシダムシが新種記載されました!
熊野灘の1種はユミヘリゴカクノシダムシDendrogaster tobasuii (鳥羽水族館に献名)ユミヘリゴカクヒトデとウデナガゴカクヒトデに寄生します。
最初に見つけたのは今から5年前…
当時参加した甲殻類学会で、知り合いの研究者たちがシダムシの話をしているのを聞きながら、鳥羽水族館が調査している熊野灘の深海のヒトデからも未知のシダムシが見つかるかもしれない…と思ったのです、何となく。
で、学会から戻って2日後、たまたま、へんな生きもの研究所の水槽で死んだユミヘリゴカクヒトデ を見かけ、何かピンときて観察してみると…本当に未知のシダムシが見つかったのです。
こういう引きは強い(笑)
それで先の研究者2名と一緒にシダムシ研究を進めて、はや5年…ようやく論文完成、web公開となりました。この間、ユミヘリゴカクヒトデから17匹、ウデナガゴカクヒトデから21匹のシダムシを見つけました。同じ種類ですが、姿かたちに変異がありますね。
標本はへんな生きもの研究所で展示中。ぜひご覧ください。
【飼育研究部 森滝丈也】