へんな生きもの研究所で人知れず飼育中のサボテンボヤ。
水深300m付近で採集されたもので、こいつの表面に何種類かのコケムシが付着しています。
真ん中あたりの糸くずみたいなものが、そのひとつ。
拡大してみると…
数珠つなぎのコケムシです。
研究者に問い合わせてみたところ、どうやら唇口目Bugulella属の深海性コケムシのようです。
さらに拡大してみると…
このグループは虫室が石灰化しているので、ピンセットでつまむと簡単にポキポキと折れてしまうほど繊細。
個虫は無性生殖で増えて数珠つなぎになるので、全てが同じ遺伝子を持つクローンです。
コイツの触手冠が開いているところが見られたら綺麗だろうに…残念。
さらに拡大。個虫の先端にあるのは鳥頭体(ちょうとうたい)
このコケムシのグループでは、群体を構成する個虫に多形が見られます。
触手を持つ普通の個虫(常個虫)に対して、特殊な形になったものを異形個虫と呼びます。
異形個虫にはいくつか種類がありますが、この鳥のくちばしのようなかたちの鳥頭体は外敵の防衛や群体の清掃の役割があるそうです。
どんな風に働いているの実際に見てみたい…
全く目立たない生物ですが…個人的な備忘録として掲載しました。