先日の熊野灘沖合底引きで採集したモミジガイ属のヒトデ(Astropecten sp.)
今朝、死亡を確認したので水槽から取り上げたのですが、 ふと崩れて穴の開いた部分(矢印)に視線が釘付けに…
穴から少しだけ赤いモノがこんにちは!しています。
解剖を進めて予感は確信に。やはりシダムシです。
それもそのはず、このヒトデからシダムシが見つかったのは今回が初めて。
昨年からのシダムシフィーバーはまだまだ続いていますね(笑)
もうご存知でしょうが…シダムシとはヒトデの体内に寄生する「甲殻類」です。
これまでに日本国内で知られているシダムシは、古くから知られているオカダシダムシ(宿主ヤツデヒトデ)・モミジガイシダムシ・ルソンヒトデシダムシと、近年確認されたスナイトマキヒトデシダムシ・サツマヒトデシダムシ・アカヒトデシダムシ・アミメジュズベリヒトデシダムシの計7種(世界では30種ほど)
これらに加えて去年、熊野灘漸深帯のゴカクヒトデの仲間から複数種の知られていないシダムシ(未記載種)を見つけて私の中でシダムシの風が吹き荒れまくっているのです(笑)
多くのシダムシは寄生する相手(ヒトデ)が決まっているようです。
その中でモミジガイシダムシだけはモミジガイ属3種(モミジガイ、トゲモミジガイ、ヒラモミジガイ)から報告されています。
…ということは、今回のシダムシもモミジガイシダムシなのでしょうか?
あるいは、これまでに知られているモミジガイシダムシではなく、未記載種である可能性もあります。
(少なくともこれまでに知られていない宿主であることは確かですね)
あ~興奮する。
【飼育研究部 森滝丈也】