このたび、ホフストラ大学(米国)のJason D. Williams氏らとの共同研究により、熊野灘の水深約200mから採集したアミヤドリムシ類が新種として記載されました。【アミヤドリムシ類はダンゴムシなどと同じ等脚目に属し、アミやエビなどの頭胸甲や腹部などに外部寄生します。これまでに全世界から約55種、日本からは8種が報告されています】
今回記載された非常に珍しいアミヤドリムシ類の学名はAkrophryxus acinaces(和名はメスの姿がカニの“鼻チョウチン”に見えること、オスの“ツメ”(指節)が他種のものよりも長いことからツメナガカニノハナチョウチンと名付けました)
本属は2021年に記載されたばかりの珍しい属で、本種が2種目になります。
2020年6月に沖合底曳網で採集したヒメエンコウガニの2本の第1触角それぞれに付着していました。
一見するだけでは甲殻類とは思えない球形(メス)をしており、小型のオスがメスの体の中に収まっています。
論文は7月21日に日本動物分類学会の国際誌:Species Diversityのweb 版にて公開されました。https://jstage.jst.go.jp/article/specdiv/27/2/27_SD22-03/_article/-char/en…(外部リンク)
どなたでもご覧いただけます。※水族館では展示していません。
【飼育研究部 森滝丈也】