4月26日に新種として論文発表されたヒメキンカライソギンチャク。
論文公開された際にも飼育日記で紹介しましたが、本種はジンゴロウヤドカリと密接な共生関係にあり、ヤドカリが入った貝殻を土台にして、自ら貝殻のようなものを作り出していきます。
その興味深い生態から、学名は小説「Howl’s Moving Castle(日本語タイトル: 魔法使いハウルと火の悪魔)」に登場する火の悪魔「カルシファー」に因んで、Stylobates calcifer(スタイロバテス カルシファー)。
そんな興味深い生態を生態展示を通じて知ってもらおうと考えていましたが、残念ながら論文公開の直前にパートナーのヤドカリがお亡くなりになり、展示の機会を逸してしまいました。せっかくのお披露目が…残念です。
ところが先日の沖合底曳き網採集で、イソギンチャクを背負っていないジンゴロウヤドカリが1匹だけ採集できました。そこで、予備水槽のイソギンチャクと「お見合い」させてみたところ…
ヤドカリは翌日にはしっかりイソギンチャクを背負ってくれました!
…ということで、晴れてジンゴロウヤドカリwithヒメキンカライソギンチャクの展示ができることになりました。
ご来館の際はぜひご覧ください。へんな生きもの研究所で展示しています。
【飼育研究部 森滝丈也】