さて、今回は最近、鳥羽水族館へ仲間入りをした「イトヒキアジ」です。
背鰭と臀鰭から伸びた鰭条が、糸を引いていることから名付けられたと言われています。
しかしながら、このイトヒキアジ、実は幼魚で成魚になると姿が大幅に変わってしまいます。
身体は横に長く伸長し、伸びていた鰭条も無くなってしまいます。
つまり「イトヒキ」要素が無くなってしまうのです。
なので、現在展示中の個体はすべて幼魚ということになります。
ちなみにこの魚、とてもデリケートな種類なので、
水族館に来てすぐはトリートメントしてあげることも大事です。
トリートメント中の水槽です。
リポ〇タンDのような水の色をしていますが、魚の栄養補給には使用できませんので、全く違う魚専用の薬品を使用しています。
こうして数日間のトリートメントを終えて、いざ水槽へ!
集まって、群れで泳いでくれています。
銀のキレイな身体からたなびく糸がとても幻想的ですね!
ちなみに幼魚期は海面付近を泳ぐことが多く、伸びた鰭条と光が反射して体をきらめかせる姿は、クラゲに擬態していると考えられています。
言われてみればたしかにクラゲに見えなくもない・・・かな?
【飼育研究部 やまおか】