熊野灘の水深200mで採集した謎生物「カニのヒゲボンボン(仮称)」。この生物は等脚目アミヤドリムシ類の一種で、ヒメエンコウガニの第1触角に寄生しています。カニの触手につかまり、体液を吸っています。
それにしても等脚目(ダンゴムシの仲間)の多様性は凄まじいものがあります…
今回は奇跡的に2匹が左右の触角に寄生していましたが、ダブルで寄生しているとカニへの負担が大きいと思われたので、右側の個体だけ残しました。
現在、この個体を水槽内で観察しています。
このヒゲボンボンを採集したのは6月3日、最初の内は卵形でしたが(画像は7月13日撮影)
オレンジ色の生殖腺の発達に伴い、どんどん変形(成長)しています。今朝はこんな姿。
画像を重ねると成長具合がよく分かります。
目に見えているものはメスなので、この体の中に小さなオスがいれば、幼生を孵出するはずです。
生態は全く知られていないため、水槽内での観察は貴重なデータになります。
【飼育研究部 森滝丈也】