前回のブログの続き…
熊野灘の沖合底引き網で採集された高さ5cmほどの奇妙な深海イソギンチャクが入館しました。
へんな生きもの研究所で展示しています。
ところがよくよく見ると…
確かにカワリギンチャクの仲間で、「四つ葉」にはなっているけれど…どうも以前に新江ノ島水族館さんが飼育されていたヨツバカワリギンチャク(沖縄で採集)とは雰囲気が違うような。
…ということで研究者に問い合わせてみることに。
さっそく返答をいただきました。
どうやら、このイソギンチャクは今のところヨツバカワリギンチャクとしておいて問題ないとのことでした。
現在、研究が進められているそうですが、ヨツバカワリギンチャクと呼ばれるものの中に違う形態のものが含まれているようです。
典型的なヨツバカワリギンチャクがどれなのかはっきりしていないことや、ヤツバカワリギンチャクと呼ばれているものと形態的に連続性がありそうだったりと、グループ内の分類が混乱しているのが現状だそうです。
深海に生息するイソギンチャクなので、研究に用いるサンプルを手に入れることがなかなか難しく、研究が進んでいないようです。
ちなみに今回の個体は三重県の浜島沖水深350mで採集されたものです。
明日も沖合底引き網漁船に乗船するので、あわよくばこのイソギンチャクも採集できれば良いのですが…
期待しつつ…
追伸:その後、別の過去のヨツバカワリギンチャクの採集記録(1995年2月20日・南伊勢町の水深300m・深海釣り漁師より)を確認しました。写真なし?
【飼育研究部 森滝丈也】