ウミウシの仲間は入手が難しい特定の餌しか食べない種類が多く(狭食性)、長期飼育はなかなか困難。徐々にサイズダウンして…死亡してしまいます。
そんな中、はっきりとした摂餌が確認出来ないのに、比較的状態良く飼育できているのが、ネズミウミウシ、ニシキウミウシ、そしてこちらのヒカリウミウシの3種。
ネズミウミウシとニシキウミウシはカイメン食のはずなので、クロイソカイメンを与えていますが、食べている形跡はなし。
ヒカリウミウシは自然界ではフサコケムシを食べるようですが、飼育下ではオキアミの摂餌も報告されているそうなので、おそらく比較的何でも食べるタイプ(広食性)で、水槽にある何かを食べているのではないと思われます。
今朝の見回り中、そんなヒカリウミウシの面白い行動に遭遇しました…
ガラス面に張りついたヒカリウミウシがテヅルモヅル(幼若個体)の腕をチュパチュパしていています。
見ていると餌にするにはサイズが大きすぎるのか、食いちぎることはなくチュパチュパやっているだけですが、小さければハナデンシャのようにコイツも丸呑みにして食べてしまいそうな勢いです。
大変興味深いです。
ちなみに、テヅルモヅルはかなり嫌がっていましたが、逃げられません…
なんと、同居のババガセ(貝の一種)に押さえ込まれていたのです。
ババガセは外套膜の端をまくり上げて、その隙間に入ってくる小さなヨコエビなどを食べる肉食性の貝(ヒザラガイ類)ですが、たまたま入り込んだであろうテヅルモヅルをしっかりと押さえつけていたのです。
口元をよく見たら、このババガセもテヅルモヅルを食べようとしているようでした。
このあと、テヅルモヅルは救助しましたが、ウミウシとババガセの意外な行動を垣間見ることができてなかなか面白いひとときでした。