現在、好評開催中の夏イベント「~帰ってきた危ない奴ら~危険生物水族館2」も残すところあと10日間ほど。
ここで貝類代表として展示されているのが「タガヤサンミナシ」。殻の長さ10cmほどのイモガイの仲間です。
タガヤサンミナシは矢のような歯に毒があり、間違って人が刺されたりしたら、最悪の場合、死んでしまうこともあるそうです。とは言え、動き自体は緩慢で、積極的に人を襲うような攻撃性はありません。
元々、この毒は餌となる貝を襲って食べるためのもの。巻貝に毒を注入して動けなくして、捕食します。
先日、タガヤサンミナシに餌の生きた巻貝を与えましたが、水槽入れたとたん、巻貝は慌てたように逃げ回り始めました。
タガヤサンミナシ自体の動きは緩慢なので、このように逃げ回る貝でも仕留められるよう強力な毒を持つようになったのかもしれません。
ところで、タガヤサンミナシの「タガヤサン」とは、東南アジア原産の堅く美しい材質の木の名前で、貝殻が堅くて美しいことから連想されて名づけられたようです。
また、末尾のミナシは、貝殻の奥の方に引っ込むとまるで中身がないように見えることから「身無」と名付けられたそうです。
【飼育研究部 森滝丈也】