先日、竹島水族館さんから戴いたカガミモチウニ。
ご存じの方も多いかと思いますが、本種は熊野灘の水深280m以深に生息する深海性のウニで、メスの上にオスが「鏡餅」のように重なる興味深い生態が知られています(重なるのは繁殖に関係した行動だと推測)。
また、ウニとしては珍しく海底に沈んだ木を食べて暮らしています。
今回の個体は小型のものばかりだったので、しばらく重なり行動は見られないかと思っていたところ、本日、重なった小さな一組を見つけました。
おぉ、これは過去最小サイズの“鏡餅”かも。
確認のため以前(2017年)計測したデータを見返してみると、計測した9ペアの殻径はメスで最大18.0㎜ 最小11.0㎜(平均13.93㎜)、オスで最大9.7㎜ 最小5.6㎜(平均8.13㎜)でした。
一方、今回のペアは…メスが9.5㎜
オスが6.5㎜と、やはり最小記録でした。
ただし、これほど小さいと生殖巣は未熟だと思われますので、重なり行動は長くは持続しないのではないでしょうか。重なる姿を見られたらラッキー!かも。
ちなみに、もうお気付きかもしれませんが、意外としっかりと重なっているので、このようにオスをつまんで水中から取り出してもメスが落下することはありません。
(殻径の計測後、すぐに水中に戻したのでご安心を)
【飼育研究部 森滝丈也】