先日、ヒラアシクモガニから見つかったエビヤドリムシはどうやら若いメスだったようです。
エビヤドリムシの仲間はエビやカニなどの鰓室や腹部に寄生しますが、一般的にエビヤドリムシの幼生が宿主に取りつくタイミングは、宿主も幼体の頃だと言われています。一緒に成長していく感じですね(宿主にとっては迷惑ですが)。
そして、最初に宿主に着底した幼生はメスになり、次にやって来た幼生がオスとなってペアを形成します。
こちらがヒラアシクモガニ寄生エビヤドリムシのメスとオス
今回見つけたコ(左)はオスと少し似ていますが、着底して間もないメスということですね。成長すれば上の画像のような姿になるのでしょう。
実は、アナジャコ(エビ類)のエビヤドリムシの場合、着底したばかりの若い個体はほぼほぼ若い宿主からしか見つからないそうです。
なので、今回のように空き家の中古物件(過去に寄生された成体の宿主)から若いエビヤドリムシが見つかったことは珍しいかもしれません。
ただ、複数回寄生される例もあることはあるようです。
と言うのも、以前見つけた、別のエビヤドリムシ(ツベクラータEremitione tuberclata ?)は、宿主(イバラガニ)に2組が寄生していたからです↓↓
共にオスも一緒だったので、このイバラガニには少なくとも4回はエビヤドリムシの幼生がやって来たことになりますね。
【飼育研究部 森滝丈也】