宿直の夜にへんな生きもの研究所を見回り中、ハナギンチャクの仲間の水槽に小さな粒が浮遊していることに気がつきました。直径は1mmほど。水槽の中は全く濁っておらず、濃い紫色した粒だけが数百個、水面近くに浮遊していました。
おぉ!これはどうやらハナギンチャクが産卵したようです。これまでにサンゴやイソギンチャクの産卵は何度か確認していますが、鳥羽水族館でハナギンチャク類の産卵を確認するのは初めてだったはず。
ひとまず卵は別容器に回収しておきました。
翌朝、再確認すると…細長く伸長した卵も見えますね。どうやらこれはうまく受精して発生が進んでいる印象(画像はボケていますが)
回収した卵数は200-300ほどあり、あらためて計測すると、やはり卵径は1mmでした。
調べてみると、ハナギンチャクは体内で受精後、放卵する種類もいるようです。状況からすると本種はこのパターンのような気がしますね。
ひとまず、この卵がどのように育っていくか様子を見つつ管理していくことにします。
【飼育研究部 森滝丈也】