あまりお目にかからない、生きた「タコブネ」が入館したので、今日からへんな生きもの研究所で展示を始めました。
今回展示したのは、殻の長径5cmほどの個体。
成長すると殻径は9cmほどになるそうですから、これは若い個体でしょう。
タコブネはタコの仲間ですが、殻を持っています(メスだけ)
それもオウムガイのようにしっかりとしたものではなく、薄い殻。
殻の内部はオウムガイの殻のような仕切りはありません。
暖海の表層付近を漂って生活する、と言われますが、詳しい習性については、まだよくわかっていないようです。
近縁のアオイガイは海面付近で殻の中に空気を取り込み、その量を調節して浮力調整していることが、最近、実験で証明されたと聞きました。
おそらくこのタコブネもそうでしょう。
確かに、空気を入れてやるとバランス良く泳ぎ始めます。
ところで、タコブネの第一腕はダンボの耳のような膜状になっていて、ここから分泌するカルシウム成分で殻を形成しているそうです。
状態が良いと、この第一腕で殻全体を覆っているので、パッと見ただけでは、殻を背負っているようには見えないかも知れません。
なかなか興味深いタコですが、飼育はかなり難しい…餌は結構何でも食べる印象ですが。
これまでに水槽展示は3回ほどおこなっていますが、いずれも短期間(1週間ほど)で死亡しているので、興味のある方はお急ぎ下さい!
【飼育研究部 森滝丈也】