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鳥羽水族館 飼育日記 鳥羽水族館 飼育日記

沖合底引き網漁船に乗って生物採集してきました

昨日は毎月恒例の熊野灘沖合底引き網生物採集に行ってきました。

紀伊長島から尾鷲市の沖合、水深150-360mを朝4時から夕方7時頃まで。

最近は全く酔わないので、船の上で食べる漁師飯が楽しみです。

 

珍しい生きものも採れましたよ!

さっそくへんな生きもの研究所に展示したのでいくつかご紹介~

①イイジマオキヤドカリが背負うキンカライソギンチャク。初めて採集しました。

これは、なかなかレアなイソギンチャクです。イソギンチャクはヤドカリが背負う貝殻を溶かしながら成長した結果、すっかり貝殻が無くなっています。

ヤドカリはイソギンチャクが分泌したキチン質の膜(金色の貝殻状)の中に入っています。

②エビヤドリムシ(寄生性甲殻類)に寄生されたアカツノチュウコシオリエビ。

膨らんでいる部分が寄生箇所。

③ウミトサカ類に付着したトゲクモヒトデの仲間…よく見たら寄生性巻き貝(ヤドリニナ)が寄生しているではないですか!

こんなヤドリニナは見たことがない。これはもしかして…

④カンムリヒトデ…の口の中を見ると褐色のものが見えますね。

これはブログでも何度か紹介したスイクチムシの仲間で未記載種です。

ヒトデに寄生するスイクチムシ(Asteriomyzostomum属)はこれまでに世界で2種しか記載されていませんが、今シーズンの熊野灘の生物採集で新たに3種を見つけました。

中でもこのスイクチムシは口の中に寄生するためチラッと観察できる(他の2種は内臓に寄生)ので、今回初めて生態展示に挑戦です。

とは言え、スイクチムシ自体よりもカンムリヒトデの長期飼育が難しい…

⑤後ろ半分を脱皮したオオグソクムシをゲット!後ろ半分はしっかり硬化しています。そして脱皮するとホントはこんなに成長するものなのね…

前半分と全然サイズが違う。

【飼育研究部 森滝丈也】

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