先日入館した深海の巻貝「チマキボラ」が死んでいました。
入館した時にすでに瀕死状態だったので仕方がありません。
美しいかたちが魅惑的な巻貝ですが、以前から気になっていたことを確かめるチャンス到来。
この貝の中身(内臓)はどうなっているのか?やはりきれいな螺旋の形状なのか?
中身を引き抜くと…こんな感じ。
当然と言えば当然ですが、見事に貝殻と同じ形。
チマキボラは日本の中部以南からオーストラリアにかけての暖かい海の水深100~400mに生息しているそうです。死ぬと貝殻は退色してしまいますが、生きている貝はやわらかなピンク色。この色味が美しさに拍車をかけているのではないかと思っています。
ところで。
チマキボラの英名はJapanese Wonder、学名はThatcheria mirabilis
ワンダーもミラビリス(‘驚異’の意)も共にこの貝の造形美を伝えるもの。
以前は日本近海でしか採集できなかった為、非常に高価な貝だったと聞きます(今はフィリピン近海で比較的多く採集されるため、値段はそれほどでもないようですが)
先端の黄色い部分は生殖巣(精巣)です。
そんな日本を代表する美しい貝でもあるので、鳥羽水族館では館内案内図に使われています。マリンギャラリーのピクトグラム(絵文字)がチマキボラ。
ちなみに他のピクトはこんな感じ。
へんな生きもの研究所は、もちろんダイオウグソクムシ!(ここには表示されていませんが)
おっと、気になる目隠しされたピクトがありますね。もうすぐオープンの…奇跡の森!
もちろん、あの生きものですよ(頭だけ見えてます)
少しチマキボラの話題から逸れてしまいましたが、こちらもきっとワンダーな展示になるはず。
お楽しみに!