伊勢志摩の海ゾーンにいるこの魚は「イラ」。ベラの仲間ですが、色合いと顔の雰囲気が割と好みですね。この個体は7月に志摩半島の漁師さんから頂きました。
変わった和名ですが、気性が荒く、捕まえようとすると癇癪起こしたように噛みついてくることから、イラつく魚の意味で「イラ」と呼ばれるようになったとか。
ただ、水槽の中ではいたっておとなしい印象ですけどね。
で、少しややこしいのですが、実はこの魚、志摩半島ではイラではなく「テス」と呼ばれます。
だから、漁師さんがテスが捕れたと言えば、それはイラです(姿がよく似たテンスという魚と混同されて、こう呼ばれるようになったようです)。
いわゆる地方名ですね。
ちなみに私は食べたことがないのですが、イラはあまり美味しくないとも聞きますね。北九州では味が悪いことから「ナベクサラシ(鍋腐らし)」の地方名があるくらいだそうです。
どんだけ不味いんだか(笑)
【飼育研究部 森滝丈也】