昨年末から飼育している新種「ヤドカリスナギンチャク」。
学名はEpizoanthus xenomorphoideusで「エイリアン(ゼノモーフ)に似た」という意味です。スナギンチャクの群体が卵から孵化した直後のフェイスハガーに似ていることから命名されました。
本種はヤドカリが背負う巻貝の上に付着して徐々に貝殻を溶かしながら成長していき、最終的には共肉が直接ヤドカリを覆うという奇妙な生態を持ちます。共肉から何本ものポリプが林立する姿はなかなかインパクトがあります。
今、展示している個体のポリプは11本ありました…が、そのうちの1本が徐々に弱って、先日ついに死んでしまいました(矢印が死んだポリプ)。共肉でつながった状態なので、他のポリプの影響を心配していたのですが、このポリプ1本だけ根元から朽ち果て、共肉に大きな穴が空いた格好になりました。この後、共肉が成長して穴がふさがるのでしょうか…。観察記録がないので今後の変化に注目です。
ヤドカリが奥まで引っ込むと、この穴から頭部が見えます(笑)普段は腹部が見えています。
【飼育研究部 森滝丈也】