昨日、イシダタミヤドカリが背負ったツミイレカイメンが少し痩せてきたなぁ…と思いながら観察していて、カイメンの中から米粒のような異物がコンニチワ!していることに気が付きました。
高さ5㎜ほどでしょうか。タケノコのようにニョッキリ出ています。入館時には気付かなかったので、カイメンが少し痩せたために埋まっていたものが出てきたようです。
このカイメンからは寄生性の貝が見つかるので、それか?と思いつつそっと引き抜くと…何とコウイカ類の卵じゃないですか!驚きました。
ちょうど孵化直前だったらしく、取り出してすぐに孵化しました!
こんなところに産卵するイカがいるのか…。
その後調べてみると、スジコウイカやボウズコウイカなど小型コウイカ類はカイメンに産卵する習性を持つそうです。ツミイレカイメンにも産卵することがあるのか不明ですが、通常は他種のカイメンの大孔(出水孔)に一つずつ産卵するようです(卵はカイメンの“肉”に埋没することはないようですね)
今回はツミイレカイメンに飲み込まれて埋没していたことが(結果、保護されていた、とも考えられますが)興味深いです。
今回のコはボウズコウイカでしょうか?少し飼育して種類の特定に努めます。
【飼育研究部 森滝丈也】