現在、鳥羽水族館で飼育しているオウムガイ類はパラオオウムガイ、オウムガイ、オオベソオウムガイの3種。
中でもパラオオウムガイは今年 友好協力協定を結んだパラオ国際サンゴ礁センターのもと生態調査と捕獲を行なって輸送したもので、国内では当館以外の飼育施設がないため、国内唯一の展示となっています。
10月の搬入時から2ヶ月間は様子を見るために生息水温に近い17.0℃で管理していましたが、状態が確認できたので、次の段階「繁殖」を狙うことに。
産卵誘発のため、16-17.0℃だった水温を20.0℃ほどに上げました(12月8日~)
水温を上げ始めて5日…産卵しました!
…が、残念ながら、この卵は不完全で卵黄も入っていないカス。これは、しばらく様子を見る必要があるか?
ところが、さらに4日経過した昨日。
朝の見回り時にパラオオウムガイ№82が産卵しそうな動きを見せていました。
おおおお!
そして。夕方に確認すると、№82がモゾモゾしていたその場所に卵が産み付けられているじゃないですか!
受精卵であれば良いのですが。期待が高まります。
(仮に受精していたとしても、孵化まで10ヶ月ほどかかりますが)
ひとまず、産卵誘発はうまくいったようで一安心。
【飼育研究部 森滝丈也】