去年見つけた熊野灘水深300mのアラウロコクモヒトデに内部寄生するコペポーダ(甲殻類)
飼育日記で紹介したところ、著名な研究者から「写真を見る限りコペポーダの仲間のようです。まだ知られていない種類であるのは間違いでしょう」といった返事を頂いたのでテンション上昇!(笑)
今シーズンも沖合底引き網の標的の一つに掲げています。
去年採集した個体はアルコールで固定したクモヒトデから取り出したものだったので、生時の体色などが不明。今年は生きた状態を観察してみたい…
などと願っていたら…先日、久しぶりに10個体ほどのアラウロコクモヒトデが採集できました。
そして、今朝、死んだクモヒトデを見つけたのですが、どうもコペポーダが寄生しているような…(矢印のあたりに寄生しているように見えますね)
さっそく解剖してみると…(盤径5mmなので顕微鏡を見ながら解剖します)
なんとかクモヒトデからコペポーダを取り外そうと、慎重に…
んが、少し傷付けてしまってコペポーダの組織が漏れ出してしまいました(矢印)
でも、生きた姿(体色)を初めて確認出来たのは大きな成果。
ひとまず卵嚢を取り外します。
去年の個体ではあまり判別できなかった脚も、生きている状態だとこんなにも伸びているのですね(腹側から撮影)
なかなか魅力的な姿をしています。
近い将来、このコペポーダの正体を明らかにしたいです。
【飼育研究部 森滝丈也】