熊野灘の水深約300m、深海に沈んだ木から発見された目がない真っ白なヒラムシ「シロムクペリケリス」。
多くのヒラムシが浅瀬に暮らし、カラフルな色をもつ中で、本種は雪のような白さと白無垢姿を思わせる姿が特徴です。
昨年、新種として記載され、深海性のペリケリス類としては世界初の報告となりました。発見のきっかけは鳥羽水族館の飼育日記。
憶えている方もきっと…あれ?いませんか(笑)
本種が新種記載されたタイミングでは生体展示が叶いませんでしたが、今回、竹島水族館さんから頂いた沈木から複数個体が見つかり、ついに初展示が実現しました!
現在「へんな生きもの研究所」でカガミモチウニやツノハリセンボン(カニ)と同居中です。矢印で示した部分に見えています。
本種は沈木のすき間に隠れがちですが、これは自然な習性ですので、どうか見つける楽しみも含めてご覧ください。
シロムクペリケリスやカガミモチウニなどの沈木生物群集、今後の飼育研究にもご期待ください!
カガミモチウニツノハリセンボン(本種は沈木生物群集の構成種ではないと思われますが、可愛いので注目)
【飼育研究部 森滝丈也】