先日から気になっている、ヨコヤホンヤドカリに共生するヨコエビ。
該当種はイシクヨコエビ科のIsaea concinnaではないか?との返事を戴いていますが…相違点もあるようで結論には至っておりません。
調査継続中です。
ちなみにIsaea concinnaの分布域は日本海~ベーリング海の水深17~89mで、カイメンを付けたヤドカリに付着するそうで、日本沿岸からの報告はありません。
記載論文によると、Isaea concinnaの体色はライラック色(薄紫?)で目はダークバイオレット(濃い紫?)ですが、今回見つかったヨコエビはむしろ黄色…
…と、先日、改めて背面から観察すると、あれ?胸節が横に突起のように飛び出して見えます。
よくよく観察すると、これは胸節とそれに続く底節板の色(模様)のようです(底節板は脚の付け根をガードするような造りになっています)
つまり、このヨコエビは全体が黄色というわけではなく、半透明の体に黄色の縞がある、ということですね。
このあと、標本個体の脚を取り外して確認してみましたが(色は抜けています)やはり突起状のものは見あたりませんでした(下画像ではわかりやすいよう底節板に色を付けてみました)
黄色の縞模様は自分のシルエット(ボディーライン)を隠すため?あるいはダミーのトゲの役割があるのでしょうか?
【飼育研究部 森滝丈也】