へんな生きもの研究所で展示中のジンゴロウヤドカリ。
先日の沖合底引き網で水深280mで採集したものですが、このヤドカリにウロコムシの仲間が共生していました(矢印)
ウロコムシはその名の通り、背面にウロコが対になって並んでいるゴカイの仲間です。
ときどき見かけますが、種類は不明。
元々、長期の飼育が難しい種類ですが、今日見るとかなり弱って背面のウロコがはがれかかっていました。
手に取ってよくよく見ると、背面のウロコの間にもう1匹小型のウロコムシが隠れているじゃないですか!
実は、このような小型個体を見るのは2回目で、前回確認したのは今年の6月でした。
どうやらこのウロコムシは大型個体の背面に小型個体が潜む習性があるようです。
今回の確認で確信が持てました。
前回のウロコムシはこちら(矢印の位置に小型個体)
(※画像は論文使用のため非公開)
小型個体を拡大すると…
(※画像は論文使用のため非公開)
この時は大型個体が観察中に産卵したので、成熟したメスだとわかりました。
それで小型個体はオス(矢印)ではないかと推測したのですが…
どうでしょう?
このような習性がウロコムシの世界でよく知られているものか知りませんが、ヤドカリと共生しているために繁殖相手と出会うチャンスが少ないとしたら、オスをキープするのもありかな?とも思えます。
要調査ですね。
【飼育研究部 森滝丈也】