今、とても興奮しています!この熱い思い、誰かに伝えたくて飼育日記を書いています。
えぇ飼育ウニ記(うにっき)です!
【ヤドリニナの花輪】
先日、お伝えしたヤドリニナに寄生された「鏡餅ウニ」ことPrionechinus forbesianus
ご覧のように、肛門を中心にぐるりヤドリニナ2匹とその卵(卵嚢)が花輪のよう。
ヤドリニナは産卵しやすいようにウニの棘を取り除いて場所を作るのでしょうか?
【発達した爪状叉棘も気になる】
気になるのはもう一つ。発達した爪状叉棘(ピンセットのような叉棘)の存在。
貝の寄生を受けていない個体では全く目立たず、これは外敵(貝)を排除するために発達したものなのでしょうか?
(ちなみにヤドリニナの寄生によって叉棘の形態が変化するという報告はないようです)
【まさかの事実】
今日の昼過ぎ、爪状叉棘の分布を調べるために死んだウニの棘を一部除去していました。
すると!驚きの事実が…思わず息を飲みました。
そう、驚いたのは叉棘ではなくウニの殻の形。…見事に変形しているじゃないですか!!
【段差のある殻】
通常は、よく見るウニと同様のドーム型…のはずがコイツの殻は「肩のような」段差ができている。
ここにヤドリニナと卵嚢が乗っていたのです。
【傷を受けても戦うウニか】
ヤドリニナに寄生されてウニの殻が変形する、そんな報告例を私は知りません。
果たして、Prionechinus forbesianusは過剰な寄生で殻が変形しても、それに抗うように爪状叉棘を発達させて貝を排除しようと戦う健気なウニなのでしょうか?
【想像はさらに広がる】
ここで想像の翼をさらに広げてみました。
実は、このウニの近縁種でアイスランド沖の深海に生息するHypsiechinus coronatusという小型ウニがいます(日本近海には分布しません)
それは数少ない保育習性を持つウニ(いわゆるウニ型のウニで保育習性を持つのは2種類だけ)で、メスは殻の頂点付近がドアノブみたいに盛り上がり、その周囲で稚ウニを保育するとか。
…そう、今回のPrionechinus forbesianusの形と似ているのです。
ということは…
(あくまで私の妄想ですが…)実はこのウニは自分の子供と勘違いしてヤドリニナを保護して(させられて)いた。発達した爪状叉棘は対ヤドリニナのものではなく、外敵から我が子(この場合はヤドリニナ)を守るために発達させたものではなかろうか…(ちなみに、実際にPrionechinus forbesianusが保育習性を有するかは明らかになっていません)
あぁ、大胆すぎる仮説。でもそうだったら面白いのに!
もちろん、これを証明するためにはもっともっとさまざまな角度から観察・検証をしなければいけません。
とにかく本日見つけた新事実には、どんな意味が隠されているのか…
あぁ今夜は興奮して寝られない!(嘘)