いつもお世話になっている菅島の漁師さん(幸進丸)からアッキガイをいただきました。菅島沖水深50mあたりで採集したそうです。長い棘が厳つくてカッコ良い、個人的に好きな貝です。生きた姿はあまり見かけないような…。
和名のアッキガイは「悪鬼貝」の意味で、やはり長い棘のイメージから名付けられたようです。
悪鬼と聞けば、今はやりのマンガ(アニメ)に出てくる「悪鬼滅殺」の言葉が思い浮かびますが(笑)もちろん、この貝を滅殺するなんてことはなく、へんな生きもの研究所で生体展示しますよ。
現在、ゾウリエビと同居中です。
観察していると、意外とアクティブで、軟体部を伸ばして動き回っています。
軟体部から伸びるモヤシのような白い部分は触角で、前端から1/3あたりに小さな黒い目も見えますね。かわいい。
本種は殻の殻口から伸びる水管溝が長く、物干し竿を振り回しているように見えます。長い棘もあちこちぶつかるので、この水槽の中では少し移動しにくそうです。
本来の生息地は障害物の少ない砂泥地のはず。そういう隠れ場所の少ない場所で身を守る手段がこの長い棘なのでしょう。
また、アッキガイと一緒にこちらのカニ「キンセンモドキ」もいただきました。決して珍しいカニではありませんが、こちらも鳥羽周辺ではあまり見かけないような…。これも甲の棘が目立って、どこか鬼っぽい。
【飼育研究部 森滝丈也】