全国のグソラーさん!こんにちは。
先日、同業の飼育員さんからグソクムシ科ウオノシラミ属の飼育について問い合わせを受けましたが、今、当館で飼育中のヤマトグソクムシAegapheles japonica と状態が似ていたので、当館の近況と合わせてお答えしました。
当館で飼育中のヤマトグソクムシは、去年の6月に尾鷲沖水深230mで採集した個体で、今もひとまず元気です。ひとまず元気、と言うのは、水槽の中ではほとんど底砂の中に潜っていて、動くことはほぼほ無いからですね。
完全に潜っていて、普段は全く姿が見えませんが、これが彼らの本来の生態。なかなか興味深い行動です。
さて、なぜ底砂に潜るかと言えば…
彼らグソクムシ科は一時寄生性で、魚の体表に取り付いて体液を吸い、満腹になれば魚体から離れて海底に落ちて消化を待つ、という習性を持つからなのです。
今の個体も7ヶ月前は摂餌直後だったようで、こんな感じに はちきれそうなほど腹パンパンでした。
それが何も食べずにじっとし続け、少しスリムになってきましたね。
完全に空腹状態になったら、魚の体液を吸うのか(吸わせられるのか)興味津々です。
ちなみにオオグソクムシやダイオウグソクムシはスナホリムシ科で、このグソクムシ科とは別グループになります。
【飼育研究部 森滝丈也】