へんな生きもの研究所の「黄色いナマコ」。英名はそのまんまYellow Sea cucmberで、和名はありません。
指先ほどの大きさで、暖かな海の岩の上などでじっと動かず、触手だけ大きく広げて水中を漂うプランクトンを餌にしています。
このナマコは体を前後に分裂させて増えることが知られています(無性生殖)。
先月の15日頃に初めてこの分裂を確認しました。
画面の左にいるのが体の前半分だった個体、右が後ろ半分だった個体です。もちろん後ろ半分だった個体に口や触手はないので、触手と口が再生するまでこのまましばらく何も食べることはできません。
さて、昨晩は年に1度の設備点検で停電対応をしていましたが、ふと見ると、その後ろ半分だったコに触手ができているじゃないですか!
どうやら無事に完全体になれたようですね。
実は、この水槽には当初5匹のナマコがいましたが、その内の3匹が分裂したので現在は全部で8匹になっています。
最初の個体に続いて2番目に分裂したコにも小さな触手が再生していましたよ。
10日程遅れて分裂した3番目のコはまだの様子。
どうやら触手は分裂から3週間ほどで再生するようですね。
本種の学名はColochirus robustus(robusta=強健な)ですが、もしかしたら、こんな生態から名付けられたのかもしれませんね。
【飼育研究部 森滝丈也】