今朝、サンゴ水槽のウミキノコから奇妙なものが立ち上がっていました。
「ウミキノコのポリプが巨大化したのか‼」と一瞬、思いましたが(笑)これはオオイカリナマコですね。
放精のため、立ち上がっていたようです。
ナマコの仲間は、放卵放精の際に卵や精子が広く拡散するように前端部を持ち上げる習性があり、今回は偶然、ウミキノコの隙間で立ち上がったので、こんな格好になったのです。これはこれでレアショットかもしれません(笑)
さて。
このオオイカリナマコは伸びると全長3m以上になる細長いナマコの仲間です。ナマコの中では意外と人気があり、お客様からの問い合わせも時々あります。
ところで、オオイカリナマコの和名の由来は決して「大怒り」ではなく、体壁の骨片の形が錨(イカリ)の形をしていることから(大きなイカリナマコの意)
ほとんどのナマコは体壁に小さな骨片を持っていますが、オオイカリナマコのものは比較的大きくて長さ1mmほどもあります。この仲間は足(管足)を持たないので、体表から飛び出たこのイカリ型の骨片を地面にひっかけながら移動します。
それで、このオオイカリナマコに触れると、荒れた手でストッキングを触ったようなザラザラ感があるんですよ。
【飼育研究部 森滝丈也】