昨年9月に紹介した正体不明カイメン(大きさは3cmほど)
知り合いのカイメン研究者から「肉食性の有孔虫」の可能性もあるのでは?との指摘を頂きました(ひとまず、このような形態のカイメンは知られていないそうです)
有孔虫は原生動物の一群で、ホシズナ(星の砂)などが有名ですが、一部、肉食性の種類が知られているようです。
きちんと調べなければ、本当に有孔虫なのか不明ですが、とりあえず給餌を試みることに…(枝を広げた姿からプランクトンなどを捕食しそうです)※現在、展示はおこなっていません。
昨年の暮れ、冷凍コペポーダ(小型甲殻類)を与えてみました。餌は簡単に枝に引っかかります。ちなみに、直に給餌するのはこれが初めてです。
左上は時刻。
餌は2~4時間ほどで消化されるようです。
もちろん、原生動物は単細胞なので、胃や腸など消化器官はありません。どうやら餌を取り込んで体表(および細胞内)で消化するようです。
興味深いことに、捕食の際に自身の枝も崩れてしまうようです。
でも、また枝は再生します(枝はガラス質の細かな骨で支持されています)
こちらは昨日の様子。
給餌から8日ほど経過していますが、その時よりも成長して枝を広げていました。
しっかり食べて成長してくれるのはどんな生物であれ嬉しいものですね。
【飼育研究部 森滝丈也】