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鳥羽水族館 飼育日記 鳥羽水族館 飼育日記

不明種ウミシダからスイクチムシが見つかりました

スイクチムシとは

・主にウミシダに外部寄生するゴカイやミミズなどと同じ環形動物の一員(内部寄生種もいる)。ダイバーには意外と人気がある。

・170種ほどいるほとんどがウミユリ類(ウミシダ類)に寄生するが、ごく一部の種がヒトデ、クモヒトデ類からも報告されている。

・熊野灘の漸深帯のヒトデに内部寄生するスイクチムシ(未記載種)を見つけてから、もりたきの中にスイクチムシの風が吹きはじめている…

 

さて。

三重県志摩半島のイセエビ刺網でこんなウミシダが採集できます。

全く珍しい種類ではありませんが、種類は不明。20年以上前にウミシダ分類の大家である研究者が来館して、水族館のウミシダを調査されたことがありましたが、その時もこのウミシダの正体はわからず…(クシウミシダ科の一種であることは判明しましたが)

以来ほったらかしでしたが、最近、良い検索表が手に入ったので、同定に再チャレンジしてみることにしました(ちょうど展示個体が死亡したのでそれを使いました)

…ところが、やはりよくわからない。

 

集中力が途切れた頃。

ふと、ウミシダを裏返してみたら…(口側)おぉ!

スイクチムシじゃないですか!

おそらくこれは内部寄生種。体の中から出てきたようです。

 

体の後ろ1/4ほどだけ黄色を帯びて、それ以外は ほぼ全身がオレンジ色。

海に沈む夕陽のようなサンセットオレンジです。

なかなかの美スイクチムシですね。

 

背側から見るとこんな感じ(画面の上がスイクチムシの前方になります)

このスイクチムシは口が背側にあります(前方にある突起が口)

腹側

アルコールで固定すると、5対の いぼ足とその外側に並ぶ側器官(吸盤)がよくわかります。

予期しないスイクチムシの出現でウミシダの同定はうやむやになってしまいましたが、あらためてチャレンジします。

スイクチムシは宿主特異性が高い(決まった相手に寄生する)と考えられているので、ウミシダ共々その正体が気になります。

こちらもまた宿題ということで…

 

追記:どうやらこのウミシダはコアシウミシダ属のようです。オガサワラコアシウミシダ Comanthus delicatus かな?

【飼育研究部 森滝丈也】

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