(※注意)かなりモジャモジャしていて、わかりにくい日記になります(笑)
さて。
へんな生きもの研究所では水族館近くの菅島沖で採集したセノテヅルモヅルを展示しています。このモヅル達に以前から興味深い行動が確認されています。
それは大きな成体に小型の幼若個体が付着する行動。
本当の親ではなくても成体であれば(♂♀関係なく)幼若個体は取り付き、取り付いた成体の口に腕を差し込むなどして餌を横取りしているように見えます(私はこの行動を「すねかじり行動」と呼んでいます)
成体に取り付く小型個体の最古参は、この飼育日記でもおなじみの「モヅ子ちゃん(個体番号№1)」
モヅ子ちゃんは取り付く相手(成体)が死ねば別の個体に乗り換え、この「すねかじり行動」を実に丸4年継続中(2012年秋~)
現在は7代目となる生体に幼若個体3匹が取り付いています(2015年11月~)が、最近、その7代目の調子があまり良くありません。
どうやら取り付いた幼若個体に餌を横取りされて弱ってきたようにも見えます。
やはり小型の幼若個体とは言え、3匹も付着されると負担が大きいようです。
そこで、先日の金曜日に別の水槽から かなり大きなセノテヅルモヅルをへんな生きもの研究所に移動させてみました(左が8代目になります)
移動後、昨日は何の変化もありませんでしたが、今朝、水槽を見ると…モヅ子たち3匹全てが8代目に移動していました。
おぉ!やはり、この「すねかじり行動」は幼若個体が自発的に行う行動のようです。
さらに興味深いのは、実は「このすねかじり行動」は全ての個体がするわけではなく、しない個体もいるということ。
大きさもほぼ同じで、同じ時期に同じ海域で採集された個体なのに…不思議です。
今回も7代目にすねかじりしていた3匹は全て引っ越ししたのに、いつも独立している個体(№4)はやっぱり、離れていました。
すねかじりをする個体は必ずするし、しない個体は頑ななまでにしない…もうこれは個体の個性なのでしょうか?
実に興味深い行動です…
【飼育研究部 森滝丈也】