へんな生きもの研究所でノコギリイッカクガニ(通称 アロークラブ)の展示を始めました。
長かった予備水槽での下済み生活を経て、オニダルマオコゼ選手と交代してようやくの展示デビューとなりました。
…と、紹介は2行で終わりまして…(笑)
昨日、このカニをじっと見ていて、額角に何かが付着していることに気づきました。
すぐにロクソソマだろうと察しがつき、拡大してみるとやはりそう。
以前、ブログでも紹介したことがありますが、このロクソミトラ属の一種(Loxomitra sp.2)は水族館の予備水槽内で増殖しています(既に知られている種類かは不明)
長い予備水槽生活を過ごす途中、付着したものと思われます。
親の萼部前面に芽体(幼体)が並んで出芽するのが、この種の特徴のようです(矢印)
ロクソソマは内肛動物の中で単体で生活する仲間ですが、内肛動物自体、通俗名(「○○の仲間、○○類」と呼べる名前)を持たないほどのマイナー生物なので、内肛動物とは何なのかを説明するのはなかなか大変です(笑)
学生のころ、ロクソソマを含む内肛動物の解剖模式図の美しさにぞっこん惚れてしまった私は、結果、就職先を水族館に決めたほどで(他にも色々と理由はありますが)内肛動物には思い入れがあります(笑)
内肛動物は世界で150種類ほどが確認されているようですが、まだまだ見つかっていない種類も多いようです。
今回のロクソミトラは、よく見るとカニの脚にも付着していました。
これまでに水族館の水槽でまとまった個体数で出現したロクソソマ科4種はこちら
【飼育研究部 森滝丈也】