今朝の水槽見回り作業中に、連絡が入りました。
「珍しい魚が捕れたらしいで!」
大慌てで準備をしてトラックを走らせました。
実は最近、漁師さんからお声がかかることが多いんです。
昨日も志摩地方へひとっ走りしたばかり。連日の緊急出動です^^
本日は、紀伊長島の港、鳥羽水族館からは高速道路を使っても1時間ほどの距離にあります。
港のいけすをみせてもらうと…そこにいた魚は!!
おぉ~~!!!!!
フリソデウオではありませんかっ!
しかもまだ生きている!!!
私も実際に見たのは初めてです(やや興奮ぎみ)
全長は約1メートル
沖合の中層域で捕獲されることがある魚さんです。
今回もやはり、水深100mほどのところで捕れたそうです。
トラックに、丁寧に積み込んで港をあとにしました(連絡くださった漁師さんありがと~~~)
水族館に帰るとスタッフみんな興味津々です。
ほらほら、どいたどいた!もりたき君、フリソデウオに寄生虫はついていないよっ!!! 笑
実は水族館に連絡を最初に受けた時には「サケガシラでは?」と言われていたんです。
で、このフリソデウオをもいちど見てみましょう…
それもそのはず。
フリソデウオもサケガシラも同じ【フリソデウオ科】に属している魚なんです。
つまりは親戚みたいな関係。
そりゃ顔つきも似ますよね。
じゃぁ、どうして「フリソデウオ」って呼ぶの?って疑問がわいてきますよね?
答えは、今回のように成魚のフリソデウオを観察していても分からないんです。
フリソデウオの幼魚を見ないと謎は解けません。
で~~~フリソデウオの幼魚っていうのは(生体写真がないので~)
幼魚はですね、腹ビレが、ぶわぁ~ってなっているんです。
これを「振り袖」に見立てて【フリソデウオ】と名付けられたワケです^^
で、綺麗なまま成長すれば良いのですが…この振り袖、大きくなるにつれてなくなっちゃうんです。
不思議ですね。
成魚にしても幼魚にしても、ヒラヒラした部分が多いのは、海の中でホワワンと浮いて?漂って?いられるからだと思います。
フリソデウオは、ぎゅんぎゅん泳ぐお魚さんではないのです。
残念ながら、今回のフリソデウオさんは展示できそうにありません。
貴重な資料として記録しておきたいと思います。
でもこういった出会いがあるのは、ホントうれしいです^^