先日、たかむらさんから餌用の冷凍イカに混入していたカレイをもらいました(ヤナギムシガレイかと思いましたが、頭の向きが逆ですね)
メダマイカリムシが寄生しています。
メダマイカリムシは寄生性のカイアシ類(甲殻類)
カイアシ類はソコミジンコなどプランクトン生活を送る種類も多いのですが、このような寄生生活をする種類もよく知られています。
どこかどうなっているのかわかりにくい体のつくりですが、ソーセージみたいな部分が胴体、対になったクルクルが卵嚢です。
根っこのような頭胸部突起を眼球の奥に広げて体液を吸うので、眼球に穿孔している頭胸部は見えていません。
こちらの標本は以前採集したメダマイカリムシ(クビナガメダマイカリムシ?コクチフサカサゴに寄生)
眼球から取り外したのでメダマイカリムシの体のつくりがわかるでしょうか?
メダマイカリムシ属の既知種は14種、日本近海で報告されているのはそのうちの11種だそう。
今回のカレイはカリフォルニア産の冷凍イカに混じっていたものなので、メダマイカリムシもアメリカ西海岸の種類でしょう。
日本にも分布する種類なのか、調べてみないとわかりません。
今回の個体は貴重な標本として、へんな生きもの研究所で展示しました。
興味のある方は是非ご覧ください。
【飼育研究部 森滝丈也】