先日の飼育日記でユミヘリゴカクヒトデからシダムシが見つかったと書き込みましたが、まだまだ知られていないシダムシはいるようです。
特に深海のヒトデは狙い目かもしれません。
気になっているヒトデがいます。
ゴカクヒトデ科の Lithosoma japonica Hayashi,1952(和名なし)です。
紀伊半島沖で採集された2個体の標本をもとに1952年に新種記載されたきり、採集の公式記録がなかった非常に珍しいヒトデです。
去年の1月に実に60数年ぶりに続けて2個体が見つかり、へんな生きもの研究所で展示しましたが、すぐに死亡したため標本にしました。
現在、世界中でこのヒトデの標本を見ることができるのは鳥羽水族館だけかも(新種記載に用いられた標本は行方不明…とも聞きました)
そんな Lithosoma japonica (リトソマ・ヤポニカ)、1個体は損傷がひどく標本としての価値が低いため、この個体にシダムシが寄生しているか解剖してみることにしました。
解剖してすぐに…
このあたりから、興奮でハサミを持つ手が震えはじめました(笑)
これまで4個体しか見つかっていないヒトデからシダムシが見つかる確率はどれくらいなのか…
解剖を進めていき、驚きました。
体腔内がシダムシで埋め尽くされています。ヒトデがシダムシの乗り物かと見紛うほど。
こう見えても甲殻類です。
シダムシの仲間は宿主特異性が高く、種によって宿主(ホスト)が決まっていると言われます。
このシダムシも、もしかすると…
あ~興奮します!
【飼育研究部 森滝丈也】