先週末は東京海洋大学で開催された日本甲殻類学会に参加してきました。
昼の弁当を食べながら大学の後輩でもある研究者との話題に上がったのはシダムシ。ヒトデの体内に寄生する「甲殻類」です。
一見するだけではヒトデの内臓と見間違えそうですけど、シダムシはちゃんと独立した1個体の生物。
現在、日本からは7種類ほどが知られているようです。
私の大学ではヒトデ(私はナマコでしたが)を研究していたので、甲殻類の中でもヒトデとの関係性が強いシダムシって興味深い、みたいなことを話していたのです。
さて。
学会から戻り、 今朝、へんな生きもの研究所の水槽を見回りしていて…
斃死した深海性のユミヘリゴカクヒトデ Mediaster arcuatus を拾い上げて、ちょっとした差異(矢印)に気がつきました。
ちなみにこれがユミヘリゴカクヒトデ(死亡していたものとは別個体)
何となくピンときて検鏡すると…やはり!シダムシじゃないですか!
うひょ~興奮!
おそらくこのヒトデの仲間(ゴカクヒトデ科)からシダムシの正式な記録はないと思われます。
シダムシの仲間は宿主特異性が高く、種によって宿主(ホスト)が決まっていると言われます。
ユミヘリゴカクヒトデから初めて見つかったとすれば、このシダムシはもしかすると…
案外、知られていないだけで、この他にも色々な種類のヒトデで見つかるかも知れません。
普段目に付かない深場のヒトデは狙い目かも。
こうなると深海のヒトデをひとつずつ調べてみたくなりますね。
【飼育研究部 森滝丈也】