最近、頻繁に「内肛動物ロクソソマ科」を飼育日記で紹介しているからか、先日お客様から内肛動物について少し質問を受けました。
世界的に見ても研究者がほとんどいない超マイナー生物。
私は研究者でありませんが、学生の頃に惚れたロクソソマが少しずつ認知されてきたのなら嬉しいなぁ。
じわじわと浸透…ふふふ
…という訳で、知っている人は知っている、どーでもいい人にはどーでもいい鳥羽水族館のロクソソマ情報!
ロクソソマ科ロクソミトラ属の一種は『へんな生きもの研究所のオニダルマオコゼ水槽』と『3Fにある特別展示室の一番手前側の水槽』で、ロクソソメラ属の一種は『ダイオウグソクムシの歩脚の表面』でご覧いただけます。
小さくてほとんどわかりませんが。
10月の飼育日記で、ただいま3Fの特別展示室の水槽内(アクリル製パイプの表面)でかなり増殖しています!
と、書き込みましたが…
先日、ふと見ると…それがほとんど消失しているじゃありませんか!
え、どういうこと?
昨夜は宿直。
気になったので夜の巡視時にあらためて確認してみることにしました。
う~ん、確かにいなくなっている…でも誰かが掃除したわけではなさそう。
条件が悪くなって死滅したのでしょうか?
あるいは水槽の中のアカイセエビが脚でこそげ落としたのかもしれないなぁ。
あ、そうか!もしかしたら…
見つけました!
それだけでなく、アカイセエビの甲羅にもたくさんのロクソミトラが。
あらたな花園の誕生です。
ロクソミトラがパイプの表面にたくさん群れているときは、アカイセエビの体表にいたことには全く気が付かなかったのになぁ。
それが今、瞬間移動したかと思えるほどアカイセエビの体表に付着しています。
もちろん瞬間移動した訳ではなく、アカイセエビがパイプに触れた際に一部のロクソミトラが触角や体表に移動して徐々に増殖、その後なんらかの原因でパイプの個体群の方のみ死滅した…のが事の顛末ではないでしょうか。
今後、アカイセエビという新天地でロクソミトラの花園がどこまで広がるのか、楽しみです。