伊勢志摩の海・日本の海ゾーンで飼育中のチダイの口の中に(私が好きな)タイノエがいます。
ほとんどの方には気づかれてもいませんが、このタイノエも正式な飼育生物として、飼育・観察を続けています。
ご存じの方も多いかとは思いますが、タイノエとは、魚類に寄生する等脚類(ウオノエ類)の1種で、チダイやマダイの口腔内から見つかります。※画像は飼育中のタイノエではありません。
タイノエはウオノエの仲間としては珍しく、宿主の上顎(口蓋)側に取り付きます。見るからに邪魔そうですが、魚に大きな健康被害は与えないと考えられています。
ただし、口の中で徐々にタイノエも成長していくので、それに伴い、チダイの頭部(主に口の周辺)は少し変形するようです。ちなみにこのわずかな変化を目印にすれば、どの個体にタイノエがいるのかすぐに判別できます。
タイノエの存在に気が付いてから半年ほど経過したので、改めて口の中を確認してみました。去年の秋ごろに比べて、ずいぶんタイノエ(メス)は成長していますね。
引き続き、飼育・観察を続けていきます。
【飼育研究部 森滝丈也】