前回の日記でも紹介しましたが、今、2014年6月に志摩沖水深200mで採集されたトガリグソクムシ属の一種について調べています。
トガリグソクムシの仲間は世界から17種が報告されていますが(うち、日本からは2種)本種はそのどれともからだの特徴が一致しないように見えます。
目立つ特徴として挙げられるのは、癒着した大きな複眼と、第1-3胸脚の前節にある平らな突起(イメージ的には「手のひら」…厳密には違うけど)。同じような突起を持つ種は4種いますが、本種の突起はそのどれよりも顕著で、一見するとハサミ状になっているように見えるほど。いやぁカッコ良いですね。
また、種を特定するためには、全体のプロポーションや歩脚、腹肢、口の周辺等々を詳細に比較しなければいけないのですが、この標本は口の周囲が少し汚れていたので、観察しやすいよう、まずは薄めた漂白剤を使ってクリーニングしました(画像は頭部を腹側から撮影)
これで、ずいぶん観察しやすくなりましたね。
【飼育研究部 森滝丈也】