3月に記載論文が公開され、新種のウロコムシとして展示デビューしたイッスンボウシウロコムシ。
新聞やテレビ、ラジオに取り上げていただき、そこそこ話題になっていますが、これからは飼育を通じて生態を明らかにできれば良いなと、考えています。
現在飼育しているイッスンボウシウロコムシのうち1個体だけがアカモンオキヤドカリの貝殻の中で暮らしています(これが彼らの本来の習性で、他の個体は観察しやすいように貝殻から取り出しています)。
共生生活は1月末から続いています。
さて。昨日の朝、別の水槽から持ってきたジンゴロウヤドカリをこの水槽に移動させました。
夕方4:30までは何の変化もなかったのですが(いつものように貝殻から一緒に顔を出していました)
その1時間後にふと見ると…アカモンオキヤドカリの貝殻にいたイッスンボウシウロコムシがいなくなっている!?
まさかと思い、ジンゴロウヤドカリを見ると…
イッスンボウシウロコムシがジンゴロウヤドカリ側に引っ越ししているじゃないですか!
元々、イッスンボウシウロコムシはヒメキンカライソギンチャクを背負ったジンゴロウヤドカリから見つかることが多いようなので、もしかしたらこちらの方が好みなのかもしれません。
それにしても、イッスンボウシウロコムシがどうやって移動したのか、その瞬間を観察できなかったことだけが悔やまれます。
【飼育研究部 森滝丈也】