へんな生きもの研究所で2年3ヶ月ほど飼育していたカンムリヒトデが死亡しました。このヒトデは私にたくさんの研究へのアイデアを与えてくれたかけがえのない存在だったので、残念です…(ちなみに2年以上の飼育は当館最長でした)。
2018年9月~2020年3月にかけて、当時ヒトデスイクチムシに寄生されていなかったこの個体に協力してもらい、このヒトデの胃に寄生するカンムリヒトデスイクチムシの生態を調べました(胃の中にヒトデスイクチムシがいるのは普通のことなので、死亡は寄生によるものではないと思われます)。
胃の中のカンムリヒトデスイクチムシ。ちなみにカンムリヒトデスイクチムシはゴカイの仲間で、鳥羽水族館の生物調査で発見された新種です。
取り込み実験は7回ほど実施しましたが、今回、ヒトデの胃の中を確認すると、出てきた生きたヒトデスイクチムシは8匹…(色の薄い個体は若い個体と思われます)。
実験回数と出てきた個体数が合わないようですが、実は、同時期に別のヒトデ3個体でも実験をおこなっていたので、気づかないうちに移動したのかもしれません。
このヒトデスイクチムシはひとまずそのままガラスシャーレに入れて展示を続けています。ヒトデの胃から出ると長く生存できないようなので、見たい方はお早めにお越しください。
【飼育研究部 森滝丈也】