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鳥羽水族館 飼育日記 鳥羽水族館 飼育日記

パラオオウムガイが交接していました。

オウムガイ類の精子は20㎝以上あるヒモのような精莢(せいきょう)に入っています。オスのオウムガイはその精莢を丸い精包に包んでメスに渡します(交接)。

メスは精包を口の下にあるヴァランシエンヌ器官で受け取ります。受け取った精包はすぐに壊れ、中身の精子だけメスに残るようです。

それで、私はヴァランシエンヌ器官に精子があるのを確認して、交接があったかなかったか判断しています。

先日、珍しく私の目の前でパラオオウムガイが交接しはじめました。終了直後に確認すると、壊れたばかりの精包の「皮」が残っていました。

こういう状態は初めて確認しました。

そして、中身の精子はちゃんとヴァランシエンヌ器官にありました(矢印)但し、今は水温を低め(16℃)に設定しているので、交接してもパラオオウムガイは産卵しません。20℃ぐらいに上げれば産卵し始めます(水温を下げているのは、産卵を抑制することで長期飼育できるか試験しているためです)。

ちなみに同じ水槽で飼育しているオオベソオウムガイはこの水温でも産卵します。

【飼育研究部 森滝丈也】

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