先日の沖合底引き網採集では久しぶりに10匹ほどのアラウロコクモヒトデが採集できました。盤径2-5mm程度の小型のクモヒトデです。
過去にこのクモヒトデから寄生性のコペポーダ(甲殻類)が見つかっているので(おそらく未記載種)乗船のたびに注意して探していますが、なかなか採集できません。
どうやらこのクモヒトデは空き缶などのゴミや沈木などに身を隠す習性があるようで、そんなゴミが取れないと採集できないようです。
今回は沈んだロープの中にたくさん潜んでいました。
さて。
目をこらして探してみると…コペポーダではありませんが寄生貝(ヤドリニナの仲間)が見つかりました!
クモヒトデの盤径は2mm。かなりの微小貝です。卵嚢を持っています。
さっそくへんな生きもの研究所に展示しました。ちぎれた腕の根元に寄生していますね。
展示して気付いたのですが、この貝に寄生されたアラウロコクモヒトデだけが沈木の先端に陣取り、静止しています。
他の個体は物影に隠れていますが…
もしかしたら、幼生が拡散しやすいように寄生貝がクモヒトデの行動をコントロールしているのでは?
であれば興味深いのですが…
しばらく観察を続けてみます。
ちなみに、アラウロコクモヒトデから見つかった寄生性コペポーダはこんな姿をしています↓
そそられますね(笑)
【飼育研究部 森滝丈也】