今、へんな生きもの研究所で徳島県で採集されたヒョウモンダコを飼育しています。
以前の日記でも紹介しましたが、このタコの摂餌行動は興味深い。
エビを与えると殻をきれいに残して中身だけ食べます。
脱皮殻のよう。
ヒョウモンダコは甲殻類を好むようでヤドカリやカニも食べますが、これまでに観察した限り、どの個体も中身だけを上手に食べていました。
マダコやミズダコ、コブシメ、オウムガイなど他の頭足類(イカ・タコ類)は殻や骨ごとバリバリ食べる印象が強いのですが、どうもこのタコはそうではない感じ。
タコの仲間の口は、筋肉の発達した「口球」がくちばしのような「顎板(カラストンビ)」を取り囲む構造になっていますが、もしかしたらヒョウモンダコは餌の体の中にこの口球を差し込むようにして餌を食べているのかも…(要観察です)
また、ヒョウモンダコの仲間は有毒種であることが知られています。
この毒は唾液腺から分泌されますが、もしかしたら、他のタコのように餌をバリバリとかじらないヒョウモンダコは、唾液(毒)が他のタコ以上に摂餌の助けになっているのかもしれません。
唾液の消化力の強さと毒性には何かしら関係があるのでは?(推測)
ヒョウモンダコの餌の食べ方は興味深いので今後も観察を継続していきます。
【飼育研究部 森滝丈也】