先日、電話で面白い問い合わせを受けました。
私もモデルのひとりとして登場している生きものの飼いかたの本。それを読んで飼育に挑戦してみようと頑張っている女の子のお母さんからの質問でした。
ひな祭りの日に買ってきたハマグリを娘さんが飼育したいといってきたそう。
本を参考に手探りで挑戦しているのですが…
ぶくぶくも無いので、そのまま水槽水に塩を溶かしてだいたい3.5%の濃度で買っているんですけど…
貝が死んでいるのか生きているのかわからなくて…と お母さん。
いえいえ お母さん、とりあえず飼ってみようと思うことが大事ですよ(まさにそれがこの本の趣旨)
アサリやハマグリなら、とりあえずブクブク無くても頻繁に水替えをすれば大丈夫だし、死んだように閉じている貝もしばらくすると開いてくるはずですよ、と私。
口が開いた貝もいるんですけど、それも生きているか死んでいるかわからなくて…
そうですか。つついてみると反応しませんか?
口が開いた貝は中身がデロッっと出ていて、色が変わってきているんです…つついても動きませんし…水が臭くて臭くて、毎日水を替えているんですけど…
…え!?お母さん、それってもう完全に死んでいますよ(笑)
話を聞きながら、途中から徐々に笑いがこみ上げてきてました。
でも、それは決して嘲笑などではなく、ハマグリはまだ生きているかもと諦めがつかない娘さんと、死んでいるではないかと疑いつつも、臭いのを我慢して世話を続けているお母さんの姿が微笑ましくて感動したからでした。
おそらく生きものを飼育した経験なんてほとんど無かった人が、この本を読んで飼ってみたいと思い、一歩踏み出した…
そんな瞬間に立ち会っている気がしてきました。
次はもっとうまく飼えるはず。
思い返せば私だって、幼少の頃にアメリカザリガニを進化させようと土の中で飼育して、そのまま土に還すことになってしまったり…
ヤドカリを強制的に宿替えさせようとライターで貝殻の先をあぶっていたら、なんだか良い匂いが漂い始めて壺焼きになってしまったり…と色々失敗がありました(はるか昔の話ですよ)
そんなトライアンドエラーを繰り返すことが、生きものに対する興味や知識を得るために必要なんじゃないかなと思います。
【飼育研究部 森滝丈也】