先日も書き込んだばかりですが…フェイスブックにリンクしていなかったのでもう一度(笑)
熊野灘の水深200-300mに生息するヨコヤホンヤドカリに共生するヨコエビ2種の正体を明らかにしようと、ルーティンワークの合間に夢中になっています。
ヨコエビの研究者さんに問い合わせたところ、Isaea concinnaではないか?との返事を戴きました。
Isaea concinnaの分布域は日本海~ベーリング海の水深17~89mで、カイメンを付けたヤドカリに付着するそうで、日本沿岸からの報告はありません。
それで記載論文を読んでいるのですが、体色が違うような…
記載論文ではIsaea concinnaの体色はライラック色(薄紫?)で目はダークバイオレット(濃い紫?)だと。
対して、こちらはむしろ黄色。
もちろん、体色だけでは判断できないので、詳細な観察が必要です。生息環境によって体色が変わる可能性もあるかもしれません。
このヨコエビは比較的個体数が多いようです(矢印)。
そして、もう一種はタテソコエビ科のこちら。
タテソコエビ科で日本沿岸で報告されているのは2種だけのようですが、これは違う種類のようです。
ヤドカリの背負う縦縞のイソギンチャクに溶け込むような体色が興味深い。
イソギンチャクの上で底節板がスカートのように広がっていますが、これは自分の影を隠すためでしょうか?
そんな観察ができるのも水族館ならではのこと。
生態観察と平行して引き続き名前を調べていきます。
【飼育研究部 森滝丈也】