鳥羽水族館には生きたサンゴを飼育する大型水槽が2つあります。
1つはニシキエビがいるこの水槽。
ここではチヂミウスコモンサンゴが積み上げた岩の表面をコーティングするように成長して、いい感じ。
まるで大きなサンゴの塊のようです(ここまで成長するのは年単位の時間がかかります)
岩がむき出しだと、その表面に悪さをする(見た目も悪い)小さなイソギンチャクなどが増殖します。
サンゴでコーティングしてやれば、それが防げるわけで一石二鳥。
さて。
エントランスホールにあるもう一つのサンゴ水槽。
この水槽に例のイソギンチャクが増殖してきたので、岩の表面をコーティングするべく板状のチヂミウスコモンサンゴを導入してみました。
岩の上に乗せてみて数ヶ月…
ところが、私の思いは届かずにチヂミウスコモンのフチが立ち上がってきました…
いや、想像していたんですけどね。
実は、最初に紹介した水槽に比べると、こちらの水槽の方が明るいのです。
人の目で見るとそれほどの差は感じないかも知れませんが、その差はサンゴ達の成長に大きく影響します。
チヂミウスコモンサンゴのようなサンゴは光量が少ないと岩を被覆しながら成長し、明るい場所だと立体的に、上に向かって成長するのです。
ちなみにミドリイシの仲間は明るい環境でないと上手く育ちません。
明るい環境でも岩を覆うように育つサンゴがいれば理想なんですけどね。
【飼育研究部 森滝丈也】