先日脱皮したダイオウグソクムシ№5の2月15日夕方の様子です。
相変わらずシェルターの中で頭を突っ込んだままですが、呼吸は力強いので安心してください。
どうやら脱皮した第5~7胸脚は伸びたままで、まだ動かすことはできないようです(その奥にはまだ脱皮していない体前半部の第3、第4胸脚が見えていますね)
それでも日を追うごとに脱皮後の硬化は進んでいるようで、体色も少しずつグレーに戻ってきたようです。
さぁ、そうなると体前半部の脱皮はいつ頃になるのでしょうか?
個人的な予想としては…
元の体色に戻った後半部が今度は徐々に白くなり、変色から1~2ヶ月ほどしたら前半部が脱皮…かな?(笑)
さて。
連日取材対応で大忙しだったのですが、昨日は休みを頂いていました。
スーパー銭湯でサウナに入りながらダイオウグソクムシの脱皮と摂餌行動と付着生物の関係について考えてみました。
実は以前から、絶食状態は脱皮が近いからでは?とぼんやり考えていたのですが、今回の№5の脱皮やその他の事象を鑑みてこの仮説が少し確信に近づきました。
そして摂餌状況だけではなく、体の付着生物の有無も脱皮の時期を予想するカギのような気がしてきました。
つまり…【摂餌が不活発・殻に付着生物が多い→脱皮が近い】説です(もちろん近いと言っても年単位の話だと思いますが)
実際、今回脱皮した№5は丸3年間摂餌しておらず、体にはコケムシ類、ロクソソメラ、エボシガイ類が多く付着していました。
これを逆に言えば【摂餌が活発・殻に付着生物が少ない→脱皮からそれほど時間が経過していない】ことになりますが、まさにこれは爆食い№26(や№25)に当てはまりそう。
実際、あまりに肌スベのイケメン過ぎて、今回脱皮したのは№26だと何人かのお客様に勘違いされるほど。
さて、ここで大胆な予想を…
実は、現在飼育しているダイオウグソクムシの中に唯一、入館以来餌を食べていない個体がいます。
それはNo.14(2013.7.19入館)
もう、おわかりですね。
…ということは、仮説が正しければ、次の脱皮は№14ということになるはず。
大胆すぎる予想ですが、どうでしょう?(笑)
まぁ、いずれにしても更なるデータを蓄積していけば、事実は明らかにされていくはずです。
【飼育研究部 森滝丈也】